子どもに何を着せる?季節に合わせた子どもの衣服について

保育・子育て

日本には四季があり、夏は湿度が高い厳しい暑さが続き、冬は凍えるほど寒い日が続きます。1年を通して気温や湿度は大きく変わりますよね。

季節に合わせて長袖を着たり半袖を着たりしていると思いますが、夏なのに寒い思いをしたり、冬なのに熱い思いをしたりすることはありませんか?大人でも誰しもが経験する季節に合わせた体温調節の難しさは、子どもにとってはさらに難しいことと言えるでしょう。

季節や気温に合わせた服を着るということは、日常生活においてとても大切です。

そこで今回は、子どもと衣服の関係についてお話をしていきたいと思います。

衣服とは?

まず、衣服とは「身にまとうもの」という意味があります。意外にも衣服には「帽子」や「靴下」は含まれません。衣服は地球上、ヒトだけ(犬やチンパンジーは着せてもらっているのでノーカウント)が身にまとい、衣服を着ることで暑さや寒さに対抗し、それに加え体の中で体温の調節を行っています。

人間の体温調節

では、ヒトの体温調節はどのように行なわれているかご存知でしょうか?当然と思われるかもしれませんが、体温調節は「脳」が行っています。脳の中で「間脳」と呼ばれる視床下部という組織で行われていると言われています。

[体温が上がっている時]

体温が上がると、汗腺が刺激されて発汗が促されます。汗が気化するときに「気化熱」といわれる放熱作用によって体温を低下させます。また欠陥が拡張されることによって熱の放熱を行うます。

[体温が下がっている時]

骨格筋が収縮することによって熱を産出し、体温を上昇させます。皮膚の欠陥を収縮することによって熱の放散を防ぎます。

つまり、体が熱い時に汗をかくことによって体の熱を外に逃がそうとし、寒い時は身体の中で熱を産出し外に逃がさせないようになっています。

普段なにげなく「暑い」「寒い」と思っている中で、脳と体は体温調節を頑張っているんですね。人間の体って凄いですよね。

子どもの体温調節

では、子どもの場合はどうでしょうか。子どもの場合も大人と同じような形で体温調節を行いますが、子どもは大人と比べて新陳代謝が活発で熱の産出が多く、大人よりも体温は高い傾向にあります。ですが、体温調節の機能が未熟なであることから大人のように周りの環境に応じて体温を適切に調節することが難しいと言われています。

季節にあわせた服を着よう!

上記で説明させていただいたように、子どもは体温調節が苦手と言えます。その体温調節の機能を補うためにも季節や温度に合わせた衣服の選択を行うことが大切になってきます。

では、どのような服を着せると良いと思いますか?

ご説明します。

1.素材は綿がおすすめ!

子どもは汗をたくさんかくので肌に直接触れる服は「通気性・吸湿性のよい綿100%」のものがおすすめです。

2.重ね着で対策!

厚手の服を1枚子どもに着せると、熱くなった時に衣服を脱いでの体温調節が難しいので、薄手の服を重ねて着るのがおすすめです。熱くなったら1枚脱いで、寒くなったら着せてというように調節がしやすいです。

※冬の場合はトレーナーだけ、厚手の裏起毛の服だけ、といった着せ方をしてしまいがちですが、背中やお腹が冷えてしまうことが考えられるので肌着を重ね着してあげてくださいね。

衣服を選ぶときに気を付けたいこと

服を選ぶとき、何を基準に選んでいますか?子どもには可愛い服を着せてあげたいという親心から、おしゃれ感を重視したコーディネートを選びがちですが以下の注意点を少しだけ取り入れていただけると筆者としては嬉しいです。

服はきつすぎたり、小さかったりしませんか?

子どもは活発に動きます、その活動の妨げになるようなピッチリした服は気を付けたい衣服のひとつです。

衣服のサイズは大きすぎていませんか?

子どもの成長って早いですよね。前まで着ていた服がすぐ小さくなったりすることは誰しも経験されることだと思います。しかし、どうせすぐ小さくなるからと大きめの服を着せてしまうと、服がどこに引っかかってしまったり、自分自身やお友達が裾を踏んでしまったりと危ない目にあってしまう可能性が高くなってしまうので注意が必要です。

大きめの服を着せる場合は、まくってあげたり、ズボンであれば裾上げをしてあげたりしてくださいね。

子ども自身が脱いだり着たりできますか?

1歳を過ぎる頃から、衣服の着脱について興味を持つ子が多くなります。2歳頃には自分で上着を脱げる子が多くなり、衣服を脱がせようとすると「自分でやる!」と意思表示をしてくれる子まででてきます。子どもが衣服の着脱に興味を持つようになったら、子どもが脱ぎ着しやすい衣服を選んであげることをおすすめします。

素材や縫い目は刺激になったりしていませんか?

子どもの肌は意外とデリケートです。肌が弱い子どもには衣服の素材や縫い目が直接肌に触れることで赤くなったりかゆくなったりしてしまうことがあります。子どもが着る衣服は肌への刺激が少ない物を選んであることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?「衣服とは何か」という哲学的なフレーズから始まり、脳の機能が体温調節に密接に関係している事、衣服が子どもの未熟な体温調節を補う役割を担っていること、子どもに着せる衣服の注意点などお話をさせていただきました。

子どもは新陳代謝が活発で、好奇心も旺盛です。暑い夏、寒い服でもお構いなしに、外に走って出かけます。暑い時には服を脱ぎ、寒い時には服を重ねられる服装が筆者としては理想だと思っています。それに、子どもは泥や土などお構いなしに触り、食事の時には汚れた手を服で拭くなんて日常茶飯事です。ですので、汚れるからと子どもの活動を制限することないように複数の着替えを用意しておくことも大事です。大人が衣服で子どもの環境を整えてあげることが大切なポイントです。

今回の記事が、皆様の日常において少しでも役に立てばうれしいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

<参考文献>
医学書院 小児看護学概論 小児臨床看護総論 小児看護学①
MEDICMEDIA REVIEWBOOK foi Nurse 2017 <18 th  edition >
保育・子育て
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