[成長と発達]年齢別に見る子どもの遊びについて

保育・子育て

子どもにとって遊びは生活そのものであり、遊びを通して社会性を獲得します。自然に触れることによって感覚を身につけ、遊具を使ったり駆けまわったりすることで、体力や身体能力を高めることのできる「遊び」は子どもの成長・発達にとっても重要な役割をもっています。当然、その遊び方は子どもの年齢や身体的発達とともに変わっていきますので、初めてお子さんを持つ親御さんにとっては、子どもの遊びといっても具体的にこのくらいの年だとどんな遊びをするのか、どんな遊びができるようになるのか分からないことも多くあると思います。周囲の大人が遊びにどのように関わっていったらいいのか、子どもと接する機会をどのように作っていけばいいか、ここではそういったお話をさせていただきたいと思います。

子どもにとっての遊びとは

子どもの生活には遊びが必要であり、心身や情緒、社会性の発達を促す意味を持っています。遊びの視点には心身の発達からみたものと、社会関係からみたものの2通りがあります。大人にとって子どもはただ遊んでいるだけのように見えても、子どもは遊びを通じてコミュニケーション能力を養い、社会性を身につけていきます。今回は心身の発達からみた遊びについてお話をしていきます。社会関係からみた遊びについては、次回に詳しくお話をしていと思っています。

<<年齢別で見る遊びの種類>>

遊びの名前年齢遊びの内容遊びの例
感覚運動遊び生後1ヶ月前後から見られ、1歳半頃まで続く(6ヶ月〜1歳半がピーク)感覚機能や運動機能を働かせることを喜ぶ遊びで、自分で動かしたり色や音の変化を楽しむガラガラ オルゴール いないいないばぁ ラッパ 発声の遊び 水遊び
運動遊び乳児期〜学童期(幼児期にとても多い)手足や身体の運動が楽しみをもたらす遊びで、成長とともに遊びの内容が「立つ→投げる」というように変化するのが特徴手遊び 滑り台 鬼ごっこ ブランコ 三輪車 押しぐるま
受容遊び1〜2歳から絵本やテレビを見たり、お話を聞いたりする受け身的な遊びで幼児期から学童期以降まで長期に渡って見られます絵本 テレビ お話
構成遊び1歳〜学童期いろいろなものを組み立てたり、作り出すことに楽しみを感じたり絵を描いたりする独創的な遊び、年齢とともに盛んになり内容も豊かになる積み木 粘土 折り紙 絵を描く
象徴遊び・模倣遊び2〜5歳(3〜4歳がピーク)物を何かに見立てて遊ぶ、食べるふりをして遊ぶ、ある役割になり きって遊ぶことなどが含まれる。目の前にないものを再現する表象機能、あるものを他の物で表す 象徴機能のあらわれで、周囲の生活における様々な物事や自然をみ立てたりして楽しむ遊び人形遊び、ままごと お店やさんごっこ 電車ごっこ

大人の関わり方

子どもは自我の発達に伴って、自分で遊びの種類を選択したり、自分なりの遊び方を見つけたりします。大人が必要以上に干渉する事は子どもの自発性を妨げてしまうことになるため、子どもの意思を尊重して自由に遊ばせることが大切になります。

ままごとなどの「ごっこ遊び」は子どもの想像力が広がるように関わり、展開に行き詰まってたり、少し困っているような様子が見られたりしたら「○○ちゃん(くん)は何をしてるの〜?」などと声をかけてあげるのも良い関わりになります。

また、大人も一緒に参加をして楽しむことも大切です。

絵を描いたり何かを創作したりする構成遊びでは、子どもの創作意欲を伸ばすように心がけることも関わりの中で大切なポイントになります。

社会性の発達からみた遊び

幼児期から遊びは社会性の発達をあらわしてきます。バーテンは社会的参加の視点から幼児の遊びの発達を以下のように整理しています。

遊びの名前年齢遊びの内容遊びの例
ぼんやり0歳~遊びの内容・・周りの興味を示さず、自分の身体に関わる遊びだけをしている。自分の身体を揺すったり、何かをぼうっと見ていたり、先生を何となく追いかけたりする
傍観遊び2〜3歳他の子どもの遊びに関心をもち始め、言葉をかけたり、じっと見ていたりするが、遊びに加わったりしない。これによって遊び方を理解してだんだん真似て遊ぶようになる。 
1人遊び2ヶ月すぎから2〜3歳周囲と関係なく1人で遊び、周りの他のお友達がいても無関心で遊んでいる 
並行遊び2〜3歳他の子どものそばで同じように遊んでいるが、子どもどうしの干渉や物の貸し借りなどのやり取りはなく、関心は持たない。 
連合遊び幼児期他の子どもと一緒に同じ遊びを展開し、玩具の貸し借りなどのやりとりが多いが、組織だったものではなく、役割分担やルールも明確ではない。同じような遊びをしながら、お話をしたり自分のやりたいことを主張し合う
協同遊び・幼児期終わり〜思春期共通の目標に向けて集団を形成し、リーダーの存在や役割の分担がある。ブロックで車を作ったとすると、アナウンス担当と実際に車を走らす担当と整備担当といった風に完全に役割分担をして遊ぶ

これらの遊びには年齢による特徴があります。

3歳頃までは子ども同士の交渉が成立する前の1人遊びや並行遊びが中心になりますが、4歳以降には、社会性の発達をあらわす連合遊びや協同遊びが増える。

連合と協同の違いは?

  • 連合・・・幾つかのものが結びあって組になること。また、組にすること
  • 協同・・・心を合わせ、力を合わせ、助けあって仕事をすること

と意味がことなります。

連合遊びはやり取りをしながら遊ぶけどあまり協力体制は取れているとは言えません。

社会性の発達からみた遊びに対する大人の関わり方

子どもの主体性を尊重する

干渉をしすぎない、子どものしたいようにさせてあげる

子どもが自由に遊べる環境をつくる

子どもが興味を持つような玩具や遊べるものを環境に配置してあげる。

危機管理をする

子どもは自分の限界に挑戦してどんどんと自分のできることを増やしていきます。限界に挑戦する以上危険と紙一重の状況になる事が多い。周りに怪我をしそうなものはないか、環境は整理されているかなど日々確認を行う。

子どもの遊びを触発してあげる

子どもが遊びに関して線引きをしている可能性もあります。そんな時は大人が実際に遊びをするなどして、子ども自身から動き出すように働きかけることが大切。

まとめ

今回は、遊びについてお話をさせていただきました。子どもにとって遊びはとても大切です。日々保育に関わる中で、遊び方やおもちゃの使い方も個性があることを知りました。日々の遊びの中で子どもの成長が感じられたりすることもあると思います。発達段階を経て子どもはすくすくと成長していきます。しかし、個人差が大きくこの年齢だからこの遊びをしなければいけない、この遊びをしてはいけないということは全くありません。1人1人の発達があるので、子どもの意思を尊重してあげてください。

是非、子どもと一緒に遊びを楽しんでくださいね。

参考文書:医学書院 専門分野Ⅱ 小児臨床看護概論・小児臨床看護総論 小児看護学①

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