赤ちゃんは好奇心の塊とも言える存在です。離乳食を始めたばかりの頃は、パパやママから与えられるがまま口に運んでいた赤ちゃんも自分で食べ物に手を伸ばし、自分の口に運びたがるようになります。一般的な大人の感覚でいうと「食べ物を直接触るなんて汚い!汚れる!」なんて思ってしまうかもしれません。しかし、この「食べ物を直接的に触れる」という行為は、赤ちゃんにとってとても大切で必要なステップです!
まずは、赤ちゃんが手づかみしても安全で食べやすいものから与えることをおすすめします。
うまく手づかみ食べするためにも練習が大事です。 今回は、赤ちゃんの「手づかみ食べ」がなぜ必要なのか、この時期にどんなものを食べさせたらいいのかといった疑問にお応えしていきたいと思います。
赤ちゃんにとっての手づかみ食べとは?
手づかみ食べとは、読んで字のごとく食べ物に直接触れてそれを口に運ぶことを言います。食べ物に直接手を触れることで、赤ちゃんの脳への刺激になります。月齢が進んでいくと食べ物に興味をもちはじめ、自然と食べ物を手でつかんでたべるようになります。
赤ちゃんにとって手掴み食べはとても重要
赤ちゃんは食べ物の「かたい」「やわらかい」「あたたかい」「つめたい」等の感覚も同時に養われていきます。「さわる」「こねる」「ちぎる」動作は、食べ物で遊んでいるように見えても赤ちゃんにとって良い刺激・経験として蓄積されます。
また、「やわらかい食べ物」と「かたい食べ物」では噛む力加減も変わってきますし、モグモグと食べ物を噛む回数も自然と覚え、赤ちゃんなりの食べ物に対する対処方法が変わっていきます。また、手づかみをすることで指先が発達し、食べ物を口に運ぶ一連の動作で集中力を養うことにも繋がります。最初はじょうずに食べられなくて食べ物をこぼしたり、口に詰め込みすぎたりするものの、少しずつ自分の一口量を調節して自分が処理できる食べ物の量を調節できるようになります。これはとても大事なことで、食べ物による窒息などを防ぐことに繋がります。例え、食べ物をこぼしてしまってもなるべく大人は見守ってあげることを心がけましょう。赤ちゃん自身の食べる意欲を育て、自分で食べることができたという達成感に繋がります。
※硬い食べ物を与える際には、喉に詰まらないように工夫してあげてくださいね。赤ちゃんはまだ自分自身の食べ物に対する処理能力が分かっていません。
手づかみ食べをスタートする時期
赤ちゃんが手づかみ食べをしたがるようになるのは、大体生後9ヵ月頃だと言われています。9ヵ月頃の赤ちゃんは大体、離乳食の後期くらいの時期かと思います。この時期の赤ちゃんは、歯茎でつぶせる程度の硬さのものなら食べられるようになってきます。(バナナぐらいの硬さが理想です)また、この時期くらいから赤ちゃんは目の前にある食べ物に手を伸ばして取ろうとしたり、口にいれたがったりします。食べ物に興味を持ち始めた時期が、手づかみ食べをスタートする時期と言えます!
手づかみ食べを始めたばかりの頃は、ママやパパがスプーンなどで食べさせてあげることを並行して進めてあげてください。赤ちゃん自身が手づかみしたそうにしたときは、それを見守ってあげてください。
手づかみ食べ支援3つのポイント!
赤ちゃんの手づかみ食べは、ママやパパのお手伝いが重要です。赤ちゃんが手づかみ食べをしたくなるような工夫を行うことで、赤ちゃんの「食べ物に対する興味」を育むことができます。
手づかみ食べ支援のポイントを3つ紹介しますので、よかったら実践してみてください!
[手づかみ食べがしやすいメニューを取り入れよう]
・ご飯(お米)を一口ぐらいのおにぎりがおすすめ!
・前歯を使って噛みとれるやわらかさの野菜をスティック状にしたものおすすめ!
・食べ物は子ども用のお皿に盛り付け、汁物は少量を別の器に入れたものがおすすめ!
[汚れてもいい環境を作ろう]
・スタイと呼ばれる赤ちゃん用のエプロンを着けてみたり、テーブルの下にビニルシートを敷いてみたりなど、片付けがしやすいように準備しておくのがおすすめです。
[赤ちゃんの食べる意欲が最優先]
・食事は食べさせるものではなく、子ども自身が食べるものあると認識する
・子どもの食べるペースを大切にする
・なるべく自発的に食べたくなるようにする。(食事の時間に空腹になるように、たくさん遊ばせる、規則的な食事リズムをつくる等)
※食べようとしない子には、大人がおいしそうに食べている姿を見せたり、食べさせてあげるところから始めるとよいと思います!
オススメ絵本のコーナー
いただきまあす
作:わたなべ しげお
絵:おおとも やすお
出版社: 福音館書店
おいしいね おいしいよ
作・絵:わかやま けん
出版社: 童心社
ノンタンスプーンたんたんたん
作・絵:キヨノ サチコ
出版社: 偕成社
まとめ
手づかみ食べが始まる月齢の子どもは、育児をするママやパパにとって子育ての大変な時期ですが、できる限り優しく見守ってあげましょう。ママやパパのストレスにならないように、『汚れても大丈夫‼︎』と大らかな気持ちで進めてみてくださいね!そして赤ちゃん自身の「自分でやってみたい」という自我の芽生えも大切に育んであげて下さいね!
職歴 保育士20年
資格 保育士資格*幼稚園教諭二種免許
今まで経験してきたことを存分に発揮していきたいと思います。
子どもの秘めている力を引き出して、職員、保護者と共に喜び笑い合える環境作り、しっかり寄り添う事を大切にしながら日々奮闘中!