睡眠中の子どもの見守り方〜睡眠事故に合わないように〜

保育・子育て

昔から「寝る子は育つ」といわれてきたように、子どもにとって睡眠は非常に重要です。
子ども(特に乳幼児期)はぐっすり眠り、すっきり目覚め、元気に活動できるような環境を作ってあげることが大切です。ただ、子育て中の皆さんはご自身の子どもが寝ているとき、こんな不安を感じたことはありませんか?

「よく寝ているけれど、寝返りしてうつ伏せにならないか心配…」
「睡眠中の事故で乳幼児が…ってニュースでよく見るけど、どういうものかわからない…」

睡眠中の事故は、絶対に避けたいですよね。

今回は睡眠中の突然死や事故をさけるために用意してあげるとよい環境や対策方法を、保育園で保育士として働く筆者の知識と経験をもとにご紹介いたします。

SIDSとは

SIDSとは「乳幼児突然死症候群」という名前の通り、何の予兆や既往歴(これまでかかった病気)もないのに乳幼児が突然死に至ってしまう病気のことです。

SIDSはミルクが喉に詰まった窒息や、乳幼児虐待とは違い、大人が十分な注意を払わなかったために起こるものではなく、また予測もしにくいため、実際に起こった時に慌てないためにも、対応の仕方を準備して置くことが大切なのです。
うつぶせ寝でしか寝ないお子さまもいるかと思いますが、お子さまの命を守るためにも、仰向け寝で寝かすようにしましょう。

安全な睡眠環境について

子どもにとって安全な睡眠環境は、

夏期:室温27〜28℃ 湿度60〜65%
冬期:室温20〜23℃ 湿度50〜60%

と、言われています。上記の温度、湿度に設定し子どもの睡眠中の事故を防ぎましょう。必ず大人が子どもに目を離さず、様子を細かくチェックしておくことが大切です。 

なぜ睡眠は大切なの?

睡眠は大脳と密接につながり、身体の諸機能が正常に働くために必要です。
昼夜関係なく、眠りと覚せいが繰り返される状態から、4ヶ月ころになると昼夜の区別がつくようになり、6ヶ月ころには昼間のリズムも確立してきます。快適な睡眠環境を作り、家庭と連携しながら生活リズムを整えることが大切です。また子どもの情緒の安定にも睡眠が大きく影響しています。

  • 睡眠・覚醒のリズムは食事時間とともに生活リズムの基本となっていく。
  • 睡眠と覚醒は一定のリズムを持って出現するが、年齢的に変化が見られる。

このように睡眠・覚醒のリズムは体内時計によって制御されている他に、環境からの影響も受けやすいのです。子どもの様子をみて、個別に配慮をしながら、睡眠のリズムを作っていきましょう。

SIDSにならないための対策方法は?

SIDSは定期的に子どもの呼吸・対位・睡眠状態を確認することで防げます。

睡眠時安全チェックリスト

睡眠中は5分〜10分に1回の呼吸チェックを行う
・0歳児・・・5分に1回の呼吸チェック
・1.2歳児・・・10分に1回の呼吸チェック
目視だけではなく、身体に触れてチェックする
・触れることで刺激となり、深い眠りから浅い眠りへと変わります。
うつ伏せ寝にしないこと
・顔が見える体勢で寝かせる。(仰向けで寝かせる)
口の中の異物やミルク、食べたもの等の嘔吐物がないか確認する。
・乳幼児期はできるだけ母乳で育てましょう。
顔や布団の周りに物を置かないようにする。
・よだれかけなどは外して寝かせましょう。
床暖房やホットカーペットの使用を避ける。
・布団と組み合わさることで想像以上に暑くなります。
顔色が見える部屋の明るさを保つようにする。
・室内が暗いときは、カーテン等で調節して顔色が観察できる明るさに保ちましょう。
ひとりで寝かせないようにする。
・熟睡しているから大丈夫と思わず、横で見守ってあげてください。
掛け布団はできるだけ軽い物を使用する。
・冬季は寒いからと布団を覆いがちになりますが、顔をだしてあげてください。
バスタオルを敷布団の上に敷くのをやめる。
・子どもがめくったりしていまいます。
タバコをやめましょう。
・タバコは赤ちゃんにとって、健康上よくありません

このような対策を行う時に、「異常があるかも」「呼吸がないかも」と思いながら適切に行うことで、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを減らすことができます。

安心な眠りを保障しよう

① 子どもは常に基本は、仰向け寝。(特に0歳、1歳児)
うつぶせになった、なりそうと気付いたら仰向けにしてあげましょう。優しく声をかけながらも、仰向けにする際、目覚めてしまっても気にしないでください。
② 多くの場合は睡眠前に食事をとっているかと思います。
横にさせる前に、必ず子どもの口の中に食べ物が残っていないかの確認をしましょう。
「自分で飲み込めるから、少しぐらいなら大丈夫」という考えはやめましょう。

まとめ

このように、睡眠中の事故に気をつけながらも大切なことは、呼吸を調べるだけではなく「そばにいるよ、安心してね」という気持ちで、トントンと身体に触れてあげることも大切なのです。

またその際に、「いつもと違う」ことに気付いたら、熱をこまめに測ったり、こまめに様子をみたりするようにしてあげてください。

日々の忙しさに負けないで、子どもたちを安全、安心に見守れる環境を整えていきたいですね。

ぜひ、参考にしてみてください。

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